
トルコ料理は世界でも最もおいしい料理の一つとして数えられ、その豊富なレシピや味により世界3大料理のひとつと言われています。ヨーロッパからアジア、中東、アフリカにまで影響を及ぼしています。もともと中央アジアに起源をもつこれらの料理はその後地中海文化と交じあってアナトリア地方にやってきました。
トルコ料理はある意味で東アジアと地中海料理の合わさったもので、添加物の少ない自然の食品を使っているのが特徴です。トルコ料理にはフランス料理のソースやイタリア料理のデザートなど特に秀でた特徴はありません。
イスタンブールで宮廷料理が発達したとき、アナトリアの地方料理はその地域的、気候的な特徴によりいくつかの種類に分けられました。これらの料理は地方料理として何世紀にもわたって受け継がれ、今では都市化が進んだ結果イスタンブールのような大都市のレストランでも提供されるようになりました。
トルコでは国内で消費されるだけの食料生産が可能です。これはいつもトルコ料理が新鮮で地元の産物を使用しているということになります。
主には、スープか前菜から食事ははじまります。前菜はいろいろな種類があり冷たいものや暖かいものなど数種類を取り分けます。多くのレストランではトレイに乗せてこれらの前菜を店にテーブルからテーブルに店員が回ってきます。

メイン料理は通常魚か肉からの選択となります。トルコ人は通常食事の間にパンを主食として食べます。サラダとしてトマト、きゅうり、たまねぎなどを細かく切ってオリーブオイルとレモンで味付けをされた羊飼いのサラダなどのサラダをよく食べます。羊肉もよく使われており、‘シシケバブ’‘キョフテ’などに使われます。あときには’アダナケバブ‘としてスパイシーなひき肉の炭火焼として使われます。ちょっと変わったメイン料理としては’イスケンデルケバブ‘があげられます。薄切りにした肉を皿全体に敷き詰めるように細かくきったピデ(パン)の上に乗せ、上からバターやトマトソースをかけて食べるもの。横にはヨーグルトが添えられます。トルコ料理ではシチュー状の料理の種類も多く、多くのレストランで提供されています。

魚やシーフードレストランは主にイスタンブールをはじめとした大都市やリゾート地で見受けられます。通常魚はシンプルに炭火焼されたり油で揚げることが多いです。前菜としても種類が多く、ムール貝のフライや、イカフライ、ムール貝のピラフ詰めなどが有名です。レストランでその日のおすすめ料理を聞くのもいいですが、マスや鯛などが通常おすすめです。魚は重さで料金が決められルことが多いです。

オスマン帝国のスルタンによる料理法の重要性はトプカプ宮殿を訪れるとよくわかります。巨大なキッチンが合計10のドームを持ついくつかの建物につくられていました。17世紀には13000人のスタッフがこの宮殿で料理をつくっていたといいます。スープ、ピラフ、ケバブや野菜料理、魚、パン、デザートなど異なる種類の料理をつくる1000人以上のシェフが、一日に10000人にも及ぶ人々の舌を楽しませていました。
食べ物にどれだけ重きをおいていたかはオスマン帝国時代の軍隊イェニチェリのエリートたちの構成を見ても明らかです。軍隊の司令官たちはスープマンとして知られ、高級将官たちはメインコックの職を与えられていました。ピラフをつくる大ガマはイェニチェリにとって重要な意味をもっており、台所は政治の中心地でした。
広大な帝国の領土は豊かな商人や傭兵が休息をとったケルバンサライ(隊商宿)の商業ルートにまとめられています。歴史上もっとも重要な意味をもつスパイスロードはスルタンによって調節統括されていました。もっとも高価や食料だけが宮廷に運ばれました。また料理の発達に漁業、狩猟や肉屋、魚屋などの商工業者が重要な役目を果たしました。商工業者は料金や価格の設定をし、特別の場合にはイスタンブールの町を生産物や彼らの才能を見せ付けながら行進したものでした。
トルコ料理の基本を説明するにはその料理に含まれるものについて調査するのが一番です。その組み合わせ、調理法や見せ方によって、多くの種類のトルコ料理ができあがります。穀物、肉、野菜、シーフード、デザートならびに飲み物にカテゴリー分けがなされます。これらのカテゴリーについて話をする前に、それぞれのカテゴリーには一つか二つの主要成分が含まれています。
トルコ人はソースや香辛料によって味付けされたものというより主な食べ物そのものの味を大事にします。それゆえナスはナスとしての、羊あ羊の、かぼちゃはかぼちゃの味がしなくてはいけません。トルコ料理は西洋からの影響を受けて香辛料やハーブが使われることがあります。たとえばミントはズッキーニ料理に、パセリはナスに、にんにくは前菜に、またはクミンは赤レンズ豆のスープやキョフテという肉料理に使われます。レモンやヨーグルトは肉や野菜料理に添えられます。多くのデザートには香辛料は使われていません。
トルコ料理はデザートや飲み物の豊富さが料理に色を添えています。トルコ人にとってセッティングも料理同様重要です。パザールと呼ばれる週に一回定期的に開かれる屋外市場や常設市場にて新鮮な材料を買うことができます。後者の例として最も有名なものはイスタンブールにあるエジプシャンバザールです。ここはいろいろな食料が見つかる場所であり、オスマン時代から続いているものです。ドームがついた屋内の建物から立ち込めるいろいろな香料のにおいが特徴です。またもっと近代的なマーケットはどの町の中心部にもあり、魚や肉などいつでも購入ができます。鮮度の点では週に一度の市場に勝るものはなく、細い通りで開かれる市場の喧騒や独特の雰囲気が注意を引きます。

トルコ料理の基本はパン生地や小麦粉です。‘パン’‘ピデ(トルコ風ピザ)’‘シミット(ゴマパン)’‘マントゥ(ヨーグルトかけ餃子)’または‘ボレック’と呼ばれるトルコ風のパイはこのカテゴリーに入ります。オスマン帝国時代からパン類は重要しされ、現在のほかにはないトルコパンの領域を作り出しました。パンはトルコの食卓に欠かせないもので朝晩人々は暖かいパンを買いにでかけます。パンだけでなくピデやシミットも日常的によく購入されています。マントゥは肉ズ目の餃子で小さく作られたものにニンニクを摩り下ろしてつくったヨーグルトソースや溶かしバターをかけて食べると美味です。
ボレックはかなり手の込んだ料理で、こねた生地を伸ばし中に具を詰めてつくられます。中にはチーズやひき肉などが詰められます。ピラフはパン同様にトルコ料理に浸透しており、野菜や肉料理と一緒に提供されます。軽くバターを使っているので口に入れたときに香ばしいにおいがするのが特徴です。

ケバブはボレック同様、伝統的なトルコ料理の一つで、遊牧民族時代に肉をローストして食べたことにその起源をもっています。ケバブにはたくさんの種類がありますが、大別してその料理法によりいくつかの種類にわけることができます。シシケバブ(小さく切った肉の串焼き)やドネルケバブ(回転焼肉)はヨーロッパでもよく知られています。
粘土でつくられたオーブンで作られるケバブもあります。レストランにおいてケバブは決して高価なものではなく、ファーストフードのような感覚で食べることができます。ケバブ店ではラフマージュンと呼ばれるひき肉の薄いピザやアダナと呼ばれるひき肉の串焼きなどがあります。どちらも南東トルコから来た料理です。ウズガラとはグリルのことで、羊肉、キョフテやシシを混ぜたミックスグリルも人気です。キョフテはトルコ風のハンバーグやミートボールといった感じのもので、多くのスパイスや卵、みじん切りにした玉ねぎなどをミックスして焼いたものです。肉料理の専門店もあり、有名なところはイスタンブールではフロリア地区にある老舗店ベイティです。もっと庶民的なもととしてはスルタンアフメット地区のキョフテが有名です。

穀物同様、野菜もトルコ料理に欠かせないものです。最もシンプルで基本的な野菜料理としては、ズッキーニやナスをトマトやピーマン、たまねぎをみじん切りにしたものを油で調理したものです。オリーブオイルも野菜料理には欠かせません。インゲン豆、アンティチョーク、ナス、セロリやズッキーニなどはオリーブオイルと調理され、トマトやヨーグルトソースを添えて食されます。
‘ドルマ’は野菜を使用した料理で中に米を詰めたものと肉を詰めたものの二つのカテゴリーに分類されます。前者は折りーブオイルを使って調理され、冷たいまま食します。肉入りのものはメインコースの一つとして数えられ、暖かいメインの料理として数えられています。ドルマに使われる食材としてピーマンやナス、ズッキーニなど中をくり抜くことができる食材が使用されます。またブドウの葉やキャベツなどの葉の中に包んでドルマをつくることもあります。ドルマのほかに様々な肉や野菜を使った料理があり、独特の料理法があります。トルコ料理の中で野菜としてはナスは良く使われる食材で肉と一緒に調理されたり、それ単独で調理されることもあります。‘ロカンタ’といわれる大衆レストランではナスをはじめとした各種野菜を使った様々な料理を目にすることができます。

トルコではワインや他のアルコールに対して本来であればイスラム教として禁止されているにもかかわらず、よく消費されています。家族や友人との食事の中で、家庭やレストランにおいて特別な場合にアルコール飲料がよく飲まれます。コースのはじめに‘メゼ’と呼ばれる前菜が登場します。これらはワインやアニスの香りがするラクと呼ばれるトルコ独特の飲み物と一緒に食されます。ラクのおかずとして最もシンプルなものはメロンやヤギのチーズです。そのほかにマリネやサラダ、野菜を使ったプレート、イカフライなどがあります。メゼのあとに供されるメインプレートが魚か肉かによってメゼの種類が異なります。

黒海、マルマラ海、エーゲ海、地中海に囲まれたトルコでは魚がよく食されています。これらの沿岸地方で収穫された魚はすぐにアンカラなど内陸の都市にも輸送され、レストランでメニューとしてあがります。冬は魚が豊富な時期で、黒海から暖かい海へ向かって移動する魚が多く、移動の途中で十分に成長していきます。野菜が冬には少なくなるので、その分魚を消費します。魚と野菜の愛称もよく、レタスやロカなどを添えて食べることが多いです。それぞれの魚の味の特徴にあわせて、グリルにされたり、油で揚げたり、ときにはホイル焼きにされることもあります。‘ハムシ’と呼ばれる小いわしはトルコの黒海沿岸で収穫されることで有名です。黒海地方の人はこのハムシを単に魚料理として使用するだけではなく、塩付けにしたり、ジャムにしたり、ピラフに入れたり、デザートにしたします。ムール貝も有名であげたり、ゆでたり、ドルマにしたり、ピラフにしたりします。エーゲ海沿岸ではタコやイカがメゼとして使われます。イスタンブールではクムカプやボスフォラス海峡沿いに魚レストランが多くあり、夕刻になるとこれらのレストランに集う人々でごった返します。

トルコ料理とともに供される最も有名なデザートはトルコ菓子ならびに‘バクラヴァ’と言われ、食後に食べられるものと考えられがちです。ただこの限りではありません。なぜならデザートの種類は本当に豊富で、食事の一部として提供されるデザート以外のものもたくさんあるからです。例えば、バクラヴァはコーヒーとともに、またはケバブ料理のあとによく食べられます。またデザートも食事のあとによくとられます。
春の到来とともにイチゴが、そのあとにはさくらんぼや杏が食べられます。夏は桃、メロンやスイカが豊富です。
夏の終わりにはいろいろな種類のブドウ、いちじく、プラム、りんご、洋ナシなどが登場します。オレンジ、みかん、バナナは冬のフルーツです。春や夏には、フルーツは生のまま、もしくはジャムやコンポートにして食べられます。サワーチェリーやオレンジのマーマレード、バラを使ったジャムなどもあります。
トルコで忘れることができないデザートの種類として牛乳を使ったデザートの数々があります。でんぷんや米粉などが含まれたグルテン無しのデザートで、卵やバターを使用しないものです。そのため他のデザート比べて重たくありません。バラのエッセンスや鶏の胸肉が入っているものがあります。
焼き菓子の部門としては、生地を使ったものがあります。バクラヴァの部類に入るものは薄く延ばした生地を何重にも重ねて、その間にくるみやピスタチオのみじん切りを詰め込んで焼いたものです。その後、シロップをかけて生地にしみこませて完成です。その形や使用されたものによっていろいろな名前がつけられています。
‘ロクマ’と呼ばれる菓子の種類は生地をたっぷりの油で上げ、シロップにつけたものです。女性の唇など変わった名前がつけられたものもあります。‘ヘルワ’は小麦粉やセモリナ粉を使ったお菓子で松の実やバター、砂糖や牛乳または水で調理したものです。ゴマペーストのヘルワはブロック状に切られて売られています。
これらのお菓子はレストランや菓子専門店で買ったり、座って食べたりできます。これらの店では‘水パイ’といわれるものが売られていますが、これは他のパイとことなり、甘くないものです。またミルク・プディングも売られています。イスタンブールで有名な甘味処としては‘サライ’があり、タクシムのイスティクラル通りや主要ショッピングセンターなどに支店を出しています。

トルココーヒーについて、様々な記事が書かれています。トルココーヒーは社会生活においてその歴史や重要性の中でコーヒーハウスの果たした役割は大きなものがあります。トルココーヒーは普通のコーヒーと違い、飲むのではなく啜るもの、小さなカップに入れて飲むもの、そして濃くてどろどろしたものです。
一方トルコ紅茶はトルコ人にとって切っては切り離せないものです。2段式やヤカンの上部にお茶の葉を、下の段にはお湯をいれ、それらを混ぜ合わせなが小さなかわいらしいグラスに注ぎます。トルコでは町のいたるところでティーハウスがあります。丘の上、公園内、田舎での木の下で、港で、マーケットで、道の端っこで、どこでもティーハウスをみつけることができます。イスタンブールではピエールロティやチャムルジャの丘などのティーハウスが有名です。
またトルコの暖かい飲み物としてボザがあります。これは暖かいフルーツジュースのようなもので、冬になると街頭でボザ売りが出没して各家に届けてくれます。シナモンの香りを楽しみながら寒い冬に飲むボザは格別なものがあります。またサーレップは牛乳とサーレップ粉を混ぜてつくられる暖かい飲み物で、のどが痛いとき、風邪を引いたときに伝統的に飲まれている、味わいのある飲み物です。

トルコで食事はとても大切にされています。家族が家にいるのに1人でご飯をたべてでかけるようなことはあまりありません。みんなで座って3食食べるのが基本です。朝食には通常パン、チーズ、オリーブとチャイと呼ばれるトルコ紅茶がかならず登場します。
夕食はすべての家族が揃って食卓を囲みます。通常食事は3種類以上のものがだされます。サラダもよく登場します。夏は8時くらいから食事をはじめます。近い親戚、仲のよい友人や隣人と一緒に食事を取ることも多くあります。メニューによりアルコール飲料がだされたり、そうでなかったりします。アルコールがある場合、テーブルに前菜が出されたり、庭やバルコニーで食事をすることもあります。メインコースはそれからしばらくたってから提供されます。夕食は通常スープからはじまり、メインコース(肉か野菜料理)がサラダとともに出されます。ドルマのようなオリーブオイルの前菜やデザートが出されることもあります。その後フルーツやデザートが食べられ最後に紅茶やトルココーヒーが飲まれます。
女性たちは午後に一緒に家で紅茶を飲むことが多くあります。ケーキやちょっとした食べ物など手作りの食べ物と一緒に提供されます。みんなであつまって噂話をしたり、他の話題に華を咲かせます。ホストとして集まったお客様をもてなすことはとても重要で、別の日にはお呼ばれされたほかの人の家で同様に紅茶の会が開かれます。みんなで集まって話をする他に、一緒に何か料理をつくったりもします。
休日には家族そろって田園地方にでかけ、ピクニックをすることも良くあります。その際には手作りのキョフテやドルマ、サラダやピラフなどを持参し、外で食べたりします。バーベキューをするのもトルコ人は大好きで、イスタンブール近郊にまで出かける家族も多いです。
伝統的な結婚式はお祭りのような賑わいとなります。コンヤでの結婚式ではお客様に7コースの食事が提供されます。会食が行われる場合は、スープからはじまりピラフ、肉料理、ドルマ、サフランライス、デザートなどが提供されます。結婚式でよく出されるデザートといえばヘルワで、セモリナ粉を使ったものです。結婚式は地方では3-4日にわたって行われることもあります。
年に2回の宗教的な祝日には各家庭でたくさんの料理が用意されます。そしてお祭りの間、ボレックやドルマ、各種デザートがテーブルに並びます。家に突然訪問するお客様がいつ来ても大丈夫なようにお祭り期間は食べ物がなくならないように十分な用意が必要です。
残念なことに食事のスタイルが近代になって変わってきたことにより、マクドナルドやピザが若者を中心に摂取されるようになったことを受けて健康的な問題がでてきているのも事実です。トルコ料理は穀物、野菜、フルーツや肉をバランスよく摂取できる料理で、栄養満点なものですが、最近になってアメリカからの食文化の導入によりこのバランスが崩れてしまっています。トルコで昔から食べられている国民食‘豆とピラフ’は栄養学的にパーフェクトな組み合わせで、プロテイン、炭水化物、ミネラルなどが豊富なものです。またほうれん草とヨーグルトの食事もバランスが良く、付け合せのヨーグルトにはカルシウムが多く含まれ、ほうれん草には鉄分が多く含まれています。
ヨーグルトはトルコ料理の中では忘れることができない存在です。料理に多く使われるたまねぎは昔から消化を助ける役割があるといわれ、ニンニクは高血圧によいといわれています。今日働いている人はお昼にピデやケバブ、ファーストフードなどを大量に摂取し、ほとんど運動をしない生活です。特にジャンクフードやスナック類などの体によくない食料が摂取されます。